大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)5051 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人大塚一男の上告趣意第一点について。

論旨は、被告人の任意性なき自白が判決に影響を及ぼしているということを前提

として憲法三八条二項、刑訴三一九条に対する違反を主張する。しかしこのことは

控訴趣意として主張されず、従つて原判決の判断を経ていないところであるから適

法な上告理由とならない。のみならず、第一審判決は所論、被告人の検察官に対す

る第一回供述調書を証拠として採用してはいないから、仮りにそれが任意性なき自

白を内容とするものであつたとしても、判決に影響を及ぼしていないこと明らかで

ある。従つて第一審判決には所論のような違法又は違憲なく、これを維持した原判

決も正当である。要するに所論憲法違反の主張はその前提を欠き採用することがで

きない。

同第二点について。論旨は憲法違反の語を用いているけれども、その実質は単な

る事実誤認又は証拠の証明力を争う主張に帰するから、適法の上告理由とならない。

被告人の上告趣意について。論旨は事実誤認の主張に帰着し適法な上告理由とな

らない。なお記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条一八一条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二九年三月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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